どんなに綺麗でも、侵略的?
ウチの周りには、3軒ほどのお庭に、藤の花が、見事なまでに、ただいま満開。新緑の緑と淡い紫のコンビネーションは、春らしく、目を楽しませてくれる。

日本だと、藤棚とかにして綺麗に納まっているはず。しかし、アメリカでは藤の手入れの方法を知らないのか、フェンスに這っていたり、放置されて、あるがままに木のような状態になってしまっているのもある。すごいのは、藤の太いつるが、隣に生えている高い松の木に登って育ってしまい、20メートルもの高さから花が垂れている。
この写真の藤、日本や中国の品種で、フロリダに元から生息していたわけではない。実は、このように、日本からやってきた植物で、フロリダの野生に生息している植物が、もう一つある。それは、葛。
日本では、この葛、葛湯にしたり、料理のとろみをつけるのに使われるが、アメリカでは、葛を使った食品や製品、見たことがない。
もともと、1876年、日本政府が、アメリカ建国100年のお祝いに、フィラデルフィアに日本庭園をつくった際に、庭園の中の植物の一つが、葛だったらしい。 ちなみに花は、とっても綺麗で、よい匂いがするそう。

その後、1920年ごろから、フロリダでは、動物用飼料として、葛の栽培が始まったそうだが、気候が良すぎるのか、とにかく育ちすぎて、コントロールできないまでに育ってしまった。今では、すっかり野生化して、フロリダや、南部の林で生息している。
野生化といったって、とにかくその育ち方の猛威は、只者ではない。木でもなんでも、支えになるものを使って、こんな感じになってしまう。もちろん、葛に覆いかぶされてしまった木は、日光や酸素さえ遮られてしまうので、弱って枯れてしまう。

というわけで、フロリダでは、今では、葛は「フロリダの植物環境に害を及ぼす、異国の雑草」の一つと指定されている。日本語では「帰化植物」と呼ぶこういった植物を、英語では、「Invasive Plant」と呼ぶが、このように、従来の植物環境が、帰化植物によって破壊されてしまうことを考えると、Invasive(侵略的)と呼ぶのも、けっして、過激すぎではないのかもしれない。








