4/25/2006

馬の背を分ける????

「夏の夕立は、馬の背をわける」ということわざがある。局地的に振ることがおおい夏の夕立は、馬の片側に降っても、反対側は雨粒一つ降らない、ということを表すそうだ。

先週の金曜日、娘の学校に迎えにゆく半時間ぐらい前から、急に空が暗くなり、いきなりが鳴り始めた。これは、大雨にでもなったら大変と、ちょっと早かったのだが、そのまま、車で学校に向かった。

学校までは10分、さて、そろそろ学校に続く一本道へと差し掛かったあたり。車の前方の窓ガラスにカツーンッとあたったものがあった。もちろん、目では確認しなかったが、確かに、何か堅いものが、ガラスに当たったような音が聞こえた。

はて、砂利でもあたったのかしらと、前方のガラスに目をやりながら、車の列の最後尾に並んだ。その時、事件は起こった。

パラッ、パラッ、パラッ、パラッ、マシンガンのような音。

一瞬、びっくりして、何が起こったのか分からなかったが、よく見ると、1センチほどの氷の塊。だ。車のボンネットの上で30センチくらい振ねあがっては、お菓子のアラレを散らかしたように、車の脇にさらさらとすべり落ちていく。

とにかく音がすごい。あまりにびっくりして、実は、仕事前でまだ家にいたダンナにケータイで電話したのだが、相手の声が聞こえない。おまけに、電波が弱いのか、電話は勝手に切れてしまった。

しばらく、車の中で、じっとしながら、頭の隅で、この雹のせいで、まだローンの支払いも終わっていない我車がボコボコにならないことを祈る。

そういえば、前夫の父親の車は、オーランドのピザハットの駐車場で、グレープフルーツ大の雹にやられてしまった。アメリカでは、平気でグレープフルーツやゴルフボールのサイズなんていう、大きな雹までふる。

しばらくたって、雹は収まったが、今度は、風が強くなってきた。木から飛ばされた葉っぱが真横にビューンと飛ばされて行くのが見える。近くの木の幹が折れてバサッと落ちた。道の脇に生えている松が、ブイーン、ブイーンと、しなっている。稲妻が、ビカビカと数秒おきに下る。車の横腹のほうから、風が吹いているのか、車がガンガンと揺れる。

はっきり言って、怖い。実は、心臓がドキドキ

その頃、ダンナが電話をかけなおしてきた。聞くところによると、車で10分離れたところにある我が家のあたりは、小雨が降っただけ。おまけにダンナは、違う道を通ってすでに、仕事に行っており、これまた、そんな過激な天候のところはなかったとのこと。

しばらくたって、まだ少し暗い空に切れ目ができて、もう、お日様がのぞきだした。車の列も動きだして、やっと、娘の順番になった。

娘は、開口、一番、「今ねー、すごかったんだよ、クラスから出られなかったの。廊下にでるドアを開けたら、氷の塊がドーッとクラスに入って来たんだよー。ソーダマシーンから出てくるぐらいのサイズの氷だったんだ」。

我が家について、早速、車を点検してみると、幸いにも、へこんだところはないようだ。ただ、10分のドライブにもかかわらず、車の片側だけに松葉がいっぱいへばりついていて、それが、車の新しいデザインのようで、面白い。

片側だけとは、「夏の夕立は馬の背を分ける」ならぬ、現代の馬である「車の背を分ける」を目にしたようだった。

4/19/2006

恥ずかしいから、止めてくれー?

ダンナの母親の家族は大家族。今年の復活祭は、総勢で、20名ほど集まった。さて、こんなに大勢の家族が一斉に集まると、面倒くさいのは????

挨拶。日本で挨拶といえば、せいぜいお辞儀するくらいだが、アメリカでは、ハグが普通。男性はさすがにあんまりやらないが、女性陣、たとえば、オバアちゃんとか、オバちゃんは絶対、ハグ

というわけで、ダンナの一家の家族の集まりでは、この女性陣のハグ攻撃をかわすだけで、30分くらいかかる。おまけに、あの強い香水の匂いをかいでいるだけで、頭が痛くなってくる。

そういえば、今から15年ほど前、初めてアメリカに来たときも、元ダンナの母親、祖母は、みんなハグ。それも、初対面

普通の日本人として、日本で育った小娘の私は、これには当然、戸惑った。ぎこちなく、体を棒のように硬直させて、立っているのがやっと

さて、このハグ、日本語では、なんと説明したらよいのか???抱擁というのか、これも、ちょっと違うなぁ。

そもそも、日本人というのは、公の場での肉体的な接触を良しとしない人種らしい。日本の親からハグされたことも、覚えてる限りないし、あるいは、あったとしても無いに等しい。

しかし、ここアメリカでは、まず、子供を学校に送りだすときも、ダンナを会社に送り出すときも、これがなくちゃ一日が始まらい、という感じに、ハグとか、キスとかする。

もちろん、公の場で人が見てようが、平気でする

朝、娘の学校の入り口で生徒を下車させるときも、車の中で、自分の子にハグやらキスやら、している親がいて、さらに、あら、お弁当はどこ?とか、宿題持った?とか、やたら時間がかかり、入り口までの車の列は、超長い。

始業のベルがなって、今日は遅刻かなぁという日も、この超長い列のおかげで、一番最後に滑り込みセーフという感じで並ぶことができたりして、これはこれでよいのだが、先生としては、クラスが始まってから、ぼちぼちと現れる生徒がいてはやっていられないわけで、娘の学校では、毎年、新学期に親への注意事項が来る。

「朝の生徒のドロップオフの時間を短縮するためにも、指定場所に車が来る前に、生徒に学用品等の準備をさせ、ハグとかキスとかの挨拶は、あらかじめ家で済ませるように」。

アメリカ人というのは、こういった常識的なことをまじめに書いて伝達しないと、わからないのか????

しかし、長年アメリカに住んでいると、結構、こういう挨拶的な肉体接触になれてきて、ハグとかキスとか平気で人前でできるようになる。

娘を迎えに行く時は、あまりに長い車の列に気がひけて、自分の車を駐車して、歩いて迎えに行くこともある。

生徒の待合場所で、ウチも娘を引き取ってから、よく、ハグとかキスとかしたものだった。あるとき、娘が、 「ほら、お友達が見ていて恥ずかしいから、止めてー」 。

そうかぁ、ハグとかキスとか、お母さんとべたべたしているのを友達に見られるのは、嫌なのね。そういう年頃なんだと、成長してしまった娘を、なんとなく淋しく思ったものだ。

でも、家でソファーに座っていると、11歳になった今でも、平気で膝に座りたがったりする。さて、今では、ウチの身長まですっかりおい抜かれ、これも、何時まで続けられるのやら??

4/10/2006

全米ジャンケンポン大会???

だいぶ前になるが、娘が学校から帰ってくるなり、今日、友達と学校で、おもしろいゲームをやったんだよと、言う。

そのゲームは「Rock, Paper, and Scissors」。はて、石と紙とハサミ。これはどっかで、聞いたことがあるぞ。

そう、日本人なら誰でもおなじみの、ジャンケンポン。やれ、勝ったの、負けたのと、しばし楽しく遊ぶ。

しばらくたって、娘がへんなチョキを出した。このとき、私の出したのはグーだったので、私の勝ちと言うと、娘が、違うよと言う。

普通はチョキは、番号の「2」を表す時のように、ひとさし指となか指を使うが、このときの彼女のは、ひとさし指とおや指

彼女いわく、これは、ハサミではなく、「ピストル」。ゆえに、紙も、石も、ハサミも、すべて負け。彼女の学校の友達の中では、この新種のルールがはやっているらしい。

これは、負けてはいられない。さて、次回、私は、このピストルを出したら、なんと、彼女、ヘンなグーもどきのようなものを出す。グーのように単に手を握るだけでなく、おや指をひとさし指となか指の間に挟みこむのだ。

これは、なんと、「大砲の玉」。私のピストルは、簡単に負けてしまった。

さて、これは、負けてはいられないと、まじになって大砲を出した私に、娘が出したのは、両手をつかって「お祈りの手」。さて、これは、ナンだろう。

なんと、これは、「宇宙大爆発」。というわけで、両者とも全滅。なんだ、これは。。。。

両者ともこの、宇宙大爆発さえ出していれば、だれも、勝ち目が無いじゃないというわけで、この新種のルールはポシャリ。子供の論理だけに、無理がありすぎ。

さて、先週、ニュースで、週末にラスベガスで、「全米ジャンケン大会」が開かれるという。賞金5万ドル、全米から地区大会を勝ち残った300人以上もの人が集まり、熱いバトルが繰り広げられるらしい。

各地区大会の勝者によると、戦略とか、とか、難しいことも話している人がいて、私のように、普通の日本人からすると、ジャンケンって、単なる運では無いかと思って、笑ってしまった。

この単なるジャンケンを、格好のよいスポーツのトーナメントのようにしてしまうところが、いかにもアメリカっぽいのか????

あるいは、30代、40代のいい年になってまで、子供の遊びのジャンケンをまじめにやってしまうところが、アメリカっぽいのか????

今日になっても、勝者について聞かないのは、いかにも、くだらなすぎる試合だからだろうか???

4/05/2006

私は、キム?

隣町に中華料理の美味しいレストランがあり、ダンナは夜勤、娘は元ダンナのところなので、私だけで、夕飯を食べに行ったことがあった。

いつ行っても、中国人のオーナーの奥様がダイニングルームの隅に座っている。この奥様、決して、オーダーをとったり、片付けたりと、働いているわけではない。ただ、暗いテーブルに座って、ボーっとしているだけだ。

オーダー取り、片付け、電話、会計は、すべて、バイトらしい、若い白人の若い女性がてきぱきとこなしている。

この夜も、私が席につくなり、この女の子がお水を持ってきながら、オーダーを取りにきた。ディナーメニューから選んだので既にセットで、スープが前菜、それから、メイン、そして、アイスクリームがデザート。

オーダーを入れてから、すぐ、スープが運ばれ、それがちょうどよく食べ終わったころ、メインが運ばれてきた。アメリカでは、オーダーを入れても、すぐに料理が運ばれてこなかったりということが多いので、なんと、手際がよいのかしらと、少し気分がよくなる。

さて、その美味しいメインがもう少しで終わるといったその時、事件は起こった。

暗い隅っこから、そのオーナーの奥様が歩いてきた。そして、なんと、私のテーブルの脇で、ぴたっと止まったのだ。一瞬、私が怪訝に思って、彼女の顔を仰ぎ見たその時、彼女が口を開いた。

「アイ、シー、キム?」

そういう風に聞こえた。彼女、今、なんて言った???英語か、中国語か、分からないが、語尾が上がっているから、いずれにせよ疑問文だろう。

”I beg your pardon?"と聞き返す私。すると、彼女、また、言った。

「アイ、シー、キム?」

しばし、沈黙。 「アイ、シー、キム?」、って、「I see Kim?」ってこと?あれ、彼女、私の名前がキムか知りたいのかな? そういえば、私の友達の韓国人にも、キムって名前多いよね、私のこと、韓国人だと思ってるのか? 頭の中で、いろいろなことが、ぐるぐると思いめぐる。

"No, I’m not Kim."ってニコニコしながら、私がいったら、今度は、彼女、少し、怒ったように、

「アイ、シー、キム、アイ、シー、キム」 。

大声で、叫びだした。これには、びっくり。

”I'm sorry, I don’t understand what you are asking me."と言うと、彼女、真っ赤になって、むっとしたように、 「アイ、シー、キム」を一点張り。


一瞬にして、ざわめいていたダイニングルームがしんと静まり返り、他のテーブルにいた客が、何事かと、私のテーブルの方を向いた。このあたりで、既に、私の顔も真っ赤。

すると、彼女、くるっと後ろを向いて、とっとと、調理場に消えていってしまった。なんて、こった。いったい、何が起こったのだ。ぼーっと、残りの料理にも、手をつけず、座り尽くす私。

どうやら、周りのテーブルは、彼らの普通の会話に戻ったようだ、よかった。

しばらくして、調理場から、例の白人の女の子が、出てきた。私のテーブルに向かってくる。きっと、私が、料理に手をつけて無いのをみて、下げにくるのだろう。

”She wanted to know if you wanted your ICE CREAM."

そうか、 「アイ、シー、キム」は、「アイスクリーム」だったのか

彼女の英語を聞き取れなくて、つい、あんなヘンなやり取りになってしまった。彼女としてみれば、 「同じアジア系なのに、ヘンに気取って、私の英語も、分かってくれない。」 と怒るのも、無理ない。

「残りは、お持ち帰りにしますか?」と丁寧に聞かれて、もう、そんな雰囲気でもなかったので、いらないと言った。さらに、既に、そんな気分でもなかったので、デザートのアイスクリームもいらないと断った。 会計だけ済ませて、なんとなく、後味の悪い思いをしながら、レストランを出た。

最近、娘とこのレストランに行ったら、レストランではなくテイクアウトの中華屋みたいになってしまっていた。

カウンターで、オーダーを取っている中国系の男性に聞くと、最近、オーナーが代わったという。前のオーナーについて聞いてみたが、知らないと言う。

さて、数年前に、メディカルトランスクリプトの勉強をしていた時、インド系や、中近東系の医者のテープを練習でやらされたことがある。外国人の医者はアクセントが強いので、とても、英語とは思えない英語を平気で喋る。

普通のアメリカ人は、もともと、ちゃんとした英語の発音にしか慣れていない。だから、自分のように、もともと訛りのある英語を喋る人は、ヘンなアクセントの混じった英語を聞き分けるのがとても、うまかった。こういうのは、ある程度、ガイジンであるゆえの利点であったとも言える。

だのに、この日の彼女の英語を、私が聞き取れなかったのは、なぜだろう???

さらに、この時に限って、なぜに、彼女、いきなり働く気になったのか???今まで、一度も、彼女が席を立って、働いているのを、見たことがない。

それに、アイスクリームがデザートで、もともとディナーセットの一部なのだから、はじめから持ってくるのが、普通ではないか???

あるいは、私がデザートはいらないといったら、ディナーは少し、安くなったのか???しかし、私、この日、デザート食べないでも、同じ料金払ったよね。

このあたりがよく分からない、中国人。 そんな、彼女に私は言いたい。

でもね、私、キムじゃ、ないもん。